118.会社成立後の定款の取り扱いについて

Q：　　会社設立の際に作成し公証役場で認証した定款は、会社成立後はどのように保管すればいいのでしょうか。また今後はどのような場合に使用する必要が出てくるでしょうか？

A：　　設立時に作成した定款は、以後会社の本店及び支店所在地に備え置き、株主や会社の債権者の閲覧・謄抄本の交付に応じなければなりません。

言い方をかえますと、株主は自分の出資している会社の定款をいつでも閲覧する権利があり、また会社と様々な取引関係に立ち、債権者の地位にいる者なども会社の定款を閲覧する権利があると言うことです。

債権者（例えば取引上自社が支払い債務を負っている相手方の会社）に定款を見せたくないという場合もあるかとは思いますが、会社法上は前述のように株主・債権者から定款の閲覧請求があった場合には、原則拒否することは出来ません。

会社設立後、定款を使う必要が出てくるのは、次のような場合が考えられます。

１．株主・会社債権者から閲覧・謄抄本の交付請求があった場合
２．銀行等金融機関と取引を始める場合
３．税理士・公認会計士等士業者と顧問契約を結ぶ場合
４．司法書士に役員変更登記を依頼する場合
など

新会社法となり、会社の内部規定（定款に記載された事項）は以前の商法時に比べて、自由に決めることが出来るようになったので、取引関係に立つ相手方は定款を見なければ相手の会社はどんな内部規定を持つ会社なのか、判断できなくなりました。

そのため上記以外のケースでも、これからは定款の提出を求められることが多くなると予想されます。

司法書士　大竹弘幸