113.印鑑の基礎知識⑤情報化時代と印鑑証明書

情報化時代と印鑑証明書

●印鑑証明書をコピーすると･･････
実印や印鑑証明書は、盗まれたり偽造されたりすると大変危険で、昔からこの種の事件は後を絶ちませんでした。以前は印鑑証明書発行機が盗まれ大騒ぎになったこともあります。またコピー機を利用すると簡単に印鑑証明書を偽造でき、これもまた犯罪に使われました。そこで、現在では特殊な加工をした印鑑証明書用紙が開発され、これをコピーすると、たとえば“無効”という字が大きく浮かびあがってくるようになっているものもあり、偽造防止に大いに効果を発揮しています。

●印鑑証明書をファックスで送ると･･････
最近では市区町村によっては、役所がその出張所にファックスで印鑑証明書を送るケースが増えています。最寄りの出張所で印鑑証明書の申請･受け取りができるので住民には便利なのですが、問題点も出てきています。ご存知のことと思いますが、ファックスで送った文書は文字の線が太くなったり欠けたりするものもあり、印影もその影響を免れません。したがって、不動産の契約時など実際に実印と印鑑証明書を照合する段になって、この印鑑証明書が通用しないケースがしばしば起こっています。ですから重要な書類を作成する場合は、印鑑を登録してある役所に出向いて、直接に印鑑証明書を交付してもらうべきでしょう。

＜外国人も印鑑登録ができる＞
たくさんの外国人が来日し、わが国の法律の下で暮らしている今日、外国人にも印鑑証明が必要とされるケースがあるのではないでしょうか。この場合、外国人登録法による外国人登録をしている人は、日本人と同じ方法で日本で印鑑登録ができます。
また、外国には日本の印鑑証明書に相当するサイン証明書があり、日本で印鑑登録をしていない外国人は、在日外国公館でサイン証明書を発行してもらい印鑑証明書の代わりにすればいいわけです。

日本司法書士会連合会　相談ガイド「印鑑の知識」より